純米辛口 ほしいずみ
辛口ですっきりとした味わいの中に、ほんのりとした旨味のあるお酒です。
愛知県知多郡と聞くと、知多半島といって日本地図から先端の尖った半島を
知っている人はいるだろうが、阿久比町と聞くと蛍の群れやレンゲの花畑を知っている人は
僅かかもしれない。
初夏の夜を彩る幻想的な光の舞は海に開けた町の水辺で名物になっていて、
万葉の頃から咲いていたとされつつも一時は絶滅したと言われている花かつみが咲いている。
この地域には近代化、工業化という時代の流れのなかでも
自然をそのまま残そうとされた地域の方々の努力が感じられ、感心させられる。
ここでご紹介するのは、そんな場所に今も昔と変わらない酒造りを続けられ、
各地で評価を高めている丸一酒造さま。
その印象は少数精鋭の職人集団、といったもので
海に近い土地柄らしく、飲むと口の中の脂っぽい感触を洗い流してくれるような
海の幸に合いそうな日本酒づくりを心がけておられるとのこと。
淡麗辛口、といっても時代と共に味の嗜好は替わると思うのだが、
一言、「きれいで率直なお酒」とおぼえて頂ければいいと思う。
とにかく、飾らない味の表現に造り手の正直なお人柄を感じずにはいられない。
日本酒の優劣を評価する品評会において
9年連続金賞受賞という愛知県記録を密かに成し遂げておられることも、
そうした日本酒造りにおける姿勢が評価されているのだと思う。
蔵人の中村様にお聞きすると、特にこだわっているのがお米だという。
知多半島の豊かな自然環境で育てられた酒造好適米を
全国的に知名度の高い山田錦に匹敵するくらいのブランドに育てたいという
思いを語ってくださった。
なので使用する米は夢吟香、若水といった愛知県産米が多い。
蔵への見学、地域観光は車でのアクセスが便利だが
是非とも一度、ご自身の足で町を歩いて
この土地に流れるーきれいで率直な空気ーを確かめてみるのはいかがだろうか?
〒470-2216 愛知県知多郡阿久比町大字植大字西廻間11番地
TEL 0569-48-0003